(お知らせ)
書籍化されました

趣味、ポールダンス。

ついにその日が来た。今日は初めてのポールダンスレッスンの日。
必要なものは、ショートパンツ、Tシャツ、タオルに水。しっかりとカバンに詰めてスタジオへ向かった。
雑居ビルの一室のドアを開けると、そこは鏡張りの部屋になっていて、ポールが何本も立ち並んでいた。自分より先に来ていた他の生徒が早速ストレッチを始めていた。

こんな風にわざわざどこかへ行って、お金を払ってまで運動するなんて。私の人生にそんなことがまさか、起こるなんて思わなかった。ものすごくドキドキした。

レッスンの最初はゆったりとした曲が流れる中でストレッチをじっくりと行う。ポールダンスに欠かせない上半身、肩周りや首を念入りにほぐしていく。何種類ものバリエーションを組み合わせ、可動域を少しずつ広げて体を温める。
開脚前屈をしていると、後ろから先生が押してくれる。が、体が硬すぎて全然前にいかない。開脚の角度も90度くらいで止まってしまう。背後から先生が少し呆れている気配がする。それでも、思い切り息を吸って、吐く息に合わせて先生が押すと少し前屈が深まった。

鏡に映る自分と目が合う。こんな風に真面目にストレッチしている姿を、高校の時の体育教師に見せてあげたい。授業をサボりまくっていた私にも、親身になって指導してくれるとても良い先生だった。留年しないためには学校の周りを36周走らなきゃいけないんだよ、大変だと思うけど、俺も付き合うから一緒に走ろう、と言ってくれた先生。彼が今の私をみたら驚くに違いない。

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「おっぱいが大きかったので会社員を辞めてポールダンサーになった話」が書籍化されました。続きは書籍でご覧ください!

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