ニューヨークのコワーキングスペースを巡る第11弾! 今回は数々のニューヨークのコワーキングスペースまとめ記事に取り上げられているEnsembleへ行ってきました。場所はBryant Parkから1ブロック離れたところで、エンパイアステートビルもすぐそこだし、タイムズスクエアまでも徒歩10分程度で行けちゃいます。近くにはホールフーズ・マーケットもあり、量り売りのデリが安く買えるのもポイント。

そんな便利な立地にあるのが、コワーキングスペースEnsemble。Ensembleとは、「一緒に」という意味。まさにコワーキングに適したネーミングです。

調べた住所にあるビルの4階までエレベーターで上がると、白いボックスのような受付で働いているお兄さんが迎えてくれます。受付のところから、ラウンジやオフィススペースが見渡せるつくりです。白でまとめられていて、内装はとてもシンプル。

ここのEnsembleは、元は四つの会社のシェアオフィス。

フロアの中心には今でもマネジメント会社とインテリアデザイン会社、不動産会社、コワーキングスペース運営会社の4社が、それぞれの区画ごとに位置しています。

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受付横の像が気になる。後方に、「HIGHLINE」や「Ensemble」と書いてあるのが見えますが、このあたりのエリアが最初の4社のオフィススペースでした

出迎えてくださったのは、Ensemble広報のRubyさん。

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後ろの世界地図がグローバル

現在のEnsembleは、15社が入居していて、コワーキングスペースで働いているのは45名(2016年11月時点)。入居は、コンサルティング会社や、デジタルマーケティング、デジタルデザイン、マーケティング、メディア業の会社が多いとのこと。

オフィスの内装を見ると、区切られているスペースがほとんどありません。広くて、シンプルな黒の椅子と机があるだけ。他のコワーキングスペースと比べると若干地味にすら見えます。

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ごくごくシンプル。他のコワーキングスペースと比べてしまうと地味にすら思えるオフィスです

固定席はスタートアップの利用者が多いとのことでしたが、固定席部分はやや空いていました。

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少し閑散としています

他の設備にも目を向けてみましょう。

他のコワーキングスペースにもあるようなキッチンが、オフィススペースの横にありました。
テーブルと椅子がついているので、ちょっとした雑談はできそう。ただちょっとオープンすぎて、働いている方の目やオフィスの様子が気になってしまいそう。

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ロイ・リキテンスタインのようなタッチの絵でLet’s Ensembleと描いてある。「さあ一緒に」ということでしょうか

カーテンで区切られた電話ブースもあります。お洒落ですが、天井高いし仕切りはカーテンだし、防音性に不安が残ります。

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一瞬どこが電話ブースなのかわからない

個室のオフィスも見せていただきました。個室は10-12人が入れる仕様になっていて、2016年11月訪問時には、4室ある中の2室は空室でした。

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照明機材は、前の利用者が使用していたもので拝借可能

ここのオフィスの最大の特徴は、オフィス入ってすぐのところにあるグランドピアノ。
Ensembleを運営する親会社のマネージャーの私物だそうですが、誰でもいつでも弾いてもよいそうです。仕事中にピアノを弾いたら、他のひとの迷惑になりそうですが大丈夫なのでしょうか。実際に弾くひとがいるのか疑問が残ります。

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訪問時にはどなたもピアノを弾いていませんでした

グランドピアノの上にどういう会社が利用しているか、卒業したかを見せる会社のロゴが飾ってあります。イベント開催時に外部から来る参加者に、利用企業の存在を認知してもらうのと共に、こちらのコワーキングスペースのブランディングのためだと言います。

開催するイベントの内容はさまざま。
利用者はやや若く、20代前半から40代後半が多いとのことですが、イベントもさまざまな種類があります。女性の起業家向けのミートアップや、アプリのプログラミング勉強会。Thanks giving(感謝祭)などの年中行事を祝う会など。会員非会員関わらず参加可能なものが多い印象です。外向けに開かれていて、インターネット上のニューヨークコワーキングスペースのまとめ記事に多く登場するのも、PRがうまくいっている証拠でしょう。

立地の良さ、オープンなスペースと外部に開かれているイベントの開催、他にはない、象徴とも言えるグランドピアノの存在。このコワーキングスペースには、ぱっと見、魅力が満載です。

ここの売りは?とEnsemble広報担当のRubyに尋ねたところ、サポート体制の厚さを挙げてくれました。Ensembleの元となっている四つの会社のうち、マネジメント会社、不動産会社とコワーキングスペース運営会社の3社のサポートを受けられることを挙げていました。

オフィスを拡大したいとなったら不動産会社が物件を探してくれます。組織体制についてもマネジメントコンサルの会社が経営面の手助けをしてくれる。他にも、コワーキングスペースの運営会社がいることで、ITシステムのサポートで作業環境を整えたり、時にはイベントへの登壇を促したりPRなど認知拡大に寄与してくれる。そして、Rubyさんは「We Workよりも集中できる」ことを強調していました。

——このコワーキングスペースを通して、何を感じるかは人それぞれ。ですが、空いているオフィスの様子や空室が目立つことを考えると、ニューヨーカーの、Ensembleに対する評価が透けて見えてくるというもの。

まずは、機能性や働く環境が伴っていないように感じられます。椅子やテーブルの配置や、電話ブースのつくりや雑談が生まれるようなキッチンの場所、そしてグランドピアノ。働く人のことを考え抜けば、機能性や居心地の良さをもっと作れるのではないか、と惜しさを感じます。他のコワーキングスペースのほうが、この点は洗練されているし、働くひとのニーズを発掘できていると感じました。

そして、今までの紹介してきた他のNYのコワーキングスペースと比べると、利用者のターゲットが定まっていない様子。明確にコンセプトを持って、こういうひとに来て欲しい!というメッセージが、ハード面でもソフト面でもそこはかとなく香っていたコワーキングスペースの方が、引力がありますよね。どういうひとに利用して欲しいのか、イマイチわからないので物足りない印象があります。

コワーキングスペースのしつらえは、ところどころお洒落であり、写真映えがするようなつくり。2-3年以上前のニューヨークのコワーキングスペースまとめサイトには数多く取り上げられていて、初期のコワーキングスペースブームにもひと役かったのではないでしょうか。
メディア受け、写真映え、そして、場所貸しと誰でもウェルカムなコミュニティの一歩先が欲しいところでした。

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もちろん、We Workよりも空いているからその分集中できるかもしれませんけどね

Ensemble

シリーズ「ニューヨークの素敵なコワーキングスペース」