ニューヨークに星の数ほどあるコワーキングスペースを直撃取材する本連載!第2回は皆さんご存知、Amazonが運営する「AWS Pop-up Loft」に行ってきました!

無料で使えるAmazon運営のコワーキングスペース

「AWS Pop-up Loft」を知ったのは、ニューヨーク在住の知人の紹介でした。「周りではシークレットだけど、無料で利用できるコワーキングスペースがあるよ」という触れ込みだったので、さっそく訪ねてみることに。

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マンハッタンの中でも若者が集まりやすいSOHO地域にあります

調べてみると、「AWS Pop-up Loft」はAmazonの提供するWebサービス、Amazon Web Service(AWS)のブランド認知度を高めるために運営されているとのこと。AWSは主にエンジニアが使うサービスです。そのためAmazonはテレビCMやWeb広告を配信するよりも、エンジニアが集まる場所を作った方が、費用対効果が良いと判断したようです。

さっそく中に入ってみた

中に入ると、受付のお姉さんに個人情報を入力するよう言われます。

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acer製のPCに打ち込みます

入力した項目は、

  • 名前
  • 住所
  • メールアドレス
  • 所属する会社や職種、業界、会社規模
  • 雇用形態
  • AWSを使っているか

など。利用者のデータからセミナーの企画を立てたり、AWSのマーケティング活動に役立てたりしているんでしょうね。

そして入力した個人情報を元に入館証が発行されます。

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AWSのロゴ入りでカッコイイ

この入館証は何度でも使えるため、帰るときも返却不要と親切に教えてくれました。

いざ2階のコワーキングスペースへ

1階は受付と自転車置き場のみなので、ひとまず階段を登ります。

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屋内に自転車が置けるのは安心!

壁にはニューヨークにいることを感じさせるお洒落な絵画やポスターの数々。

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エンジニア向けの「Keep Calm and Carry On」パロディポスターが粋ですね

いざコワーキングスペースの方に目を向けると、視界には沢山の人、人、人!

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今までのコワーキングスペースでは見なかった光景……

セミナーの詳しい内容までは分かりませんでしたが、なにやらAWSの機能についてのレクチャーや質疑応答がなされていました。

とにかく混んでるAmazonのコワーキングスペース

Amazonの知名度なのか、無料だからなのか、はたまたAWS相談員制度があるからなのか、他の場所と比べてとにかく人口密度が高い「AWS Pop-up Loft」。

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セミナーも満員御礼。窓際の人たちは作業中のよう。

こちらは反対側から撮影した様子です。

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反対側も混み合ってます

そして上の画像、アップしてみると……

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おや……

KONNICHIWA!!

皆さん日本語だと気付いているんでしょうかね。またこちらの画像の奥には「CODE HAPPY」の文字。基本的には誰でも使用できますが、あくまでターゲットはエンジニアであるのが伺えます。

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手前の人、雰囲気が厚切りジェイソンっぽい

集中して作業ができるビニールハウス風の部屋もある

広いスペースの一角にはビニールハウスのような隠れ家的スペースもあり、ちょっとしたミーティングに使えそうでした。

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「intel」のロゴがチラリ

このスペースは、明確な予約システムが無さそうなので争奪戦になるのでは、と余計な心配をしていました。

もっと奥にも入ってみた

受付のお姉さんに、セミナー会場の後ろの方で作業してもいいし、奥にもコワーキングできる部屋があるわよ、と案内されたので、奥の部屋に行ってみることに。

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フードをかぶって作業してるのハッカーっぽい

セミナー会場であるメインスペースに比べて1/6くらいの大きさ。もちろんこちらも混んでいました。

閉館1時間前にも関わらず、最初はどこへ行っても座る場所を確保するのも一苦労。皆さん場所取りのために平気で荷物を置いていくので、「自分の持ち物については自己管理してください」という貼り紙がされるのもわかります。

これだけ人が多いと、電源タップの数やネット環境が心配になるところですが、どちらも困っている人がいる気配はありませんでした。さすがAmazonですね。

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反対側からも撮ってみた

シリアル食べ放題!コーヒー飲み放題!

セミナー会場に戻って、他の設備をチェックします。

フード系は2種類のシリアルが用意されています。他のスペースと違って若干ユニークなポイント。スナック菓子のようにポリポリと食べるのでしょうか。

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キャンディやグミ、クッキーなどのお菓子も無料で食べ放題です。

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イウォーク、Amazonで購入したのでしょうか

シリアルやお菓子の他に、コーヒーや紅茶も飲み放題。それらも画像でお伝えしたかったのですが、横のゴミ箱がゴミで溢れかえっていて、あまり気持ちのよい画ではなかったため、そちらの写真はありません。すみません。

コワーキングスペースが年配者の憩いの場に

一通りチェックしたので、今度は腰を下ろして、スマートフォンを充電させてもらいながら、コワーキングスペース内を観察します。

すると斜め前のテーブルに座った、食べ物入りの紙袋を持ったおじさんはどう見てもパソコンで作業をするために来たのではないご様子。もうひとり来たお友達らしき人と、無料のコーヒーを飲みながら世間話をしつつ、ご飯を食べ始めました。

誰でも無料で利用できる場所は、コードを書く若者だけでなく、人生の大先輩たちの憩いの場にもなっているようです。

結論:混んでるけど無料だし立地も良いしAmazonすごい

全体的な印象として、とにかく人が多くて混んでる。それは、無料という理由だけでなく、下記3点の要因も合わさり、一般の方を呼びよせているように思います。

  • 立地が良い
  • 街中にありながら目立つ外装
  • 万人ウケする内装

内装についてはあまり触れていませんでしたが、インテリアはカラフルだけどシンプルで比較的低価格なものが使われており、利用者を選ばない空間ができていました。

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空いているとカラフルさが目立ちます

AWSの知名度向上であれば問題ありませんが、AWSを利用しそうな職種(エンジニアやディレクター等)に特化して集めるのであれば、セミナー開催とAWS相談員の常駐以外にも工夫が必要そうだなと、おせっかいにも思ってしまいました。

一方で、AWSの普及させるために、ニューヨークの好立地に誰でも無料で使えるコワーキングスペースを作ってしまうという点で、やっぱりAmazonすごいと言わざるをえないですね。

AWS Pop-up Loft

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