フィリピンのマクタン島

 マクタン島と言われてもいまいちピンとこない人がほとんどだと思う。リゾート地として有名なセブ島の東海岸、沖合の数キロ地点に隣接している小さな島。それがマクタン島なのだが、一般的にはセブ島とマクタン島をまとめてセブと呼んでいる。

 じつは高級リゾートホテルが多くあるのは、セブ島ではなくマクタン島のほうだ。シャングリラクリムゾンなど、人生で一度は泊まってみたい五ツ星ホテルがそろう。

セブの高級リゾートホテルでニート生活を満喫

 こんにちは。ニホンジンドットコム編集部のもんぱち(藤井)です。かつてはバックパッカーとしてインドやネパール、カンボジア、ラオスなどを旅してきました。

 今年1月、ぼくはマクタン島の高級ホテル・プランテーション ベイ リゾート&スパに約2週間も泊まり、スーパーニート生活を謳歌していた。

Fujii
ホテル敷地内の大部分がラグーンプールとなっている。怠惰な生活を送っていたのでお腹がポッコリ

 当時はフリーランスで雑誌の編集者・ライターをしていたが、いろいろあって働く意欲を無くしていたのだ。そんなワケで気分転換に訪れたのがセブ・マクタン島。

 ホテル内のマッサージに毎日通い、昼間からサンミゲルビールを飲む……。五ツ星ホテルは、レストランやスパ、BARなどが敷地内にあり、すべてホテル内で完結できるようになっている。つまり、自分の足では外に一歩も出なくて済むのだ。

スラムさながら? マクタン島の素顔

 そんなヌルい生活をしばらく続けていたある日。ヒマ潰しにだれかの旅行記やブログなどをのぞけば、じつはマクタン島はスラムだと書かれている。

 ……リゾート地がスラム?

 ぼくも元々はバックパッカー。高級ホテル内の生活は言うまでもなく最高だったが、外の世界を見てみたくなったのだ。

 ホテル前で待ち構えているタクシーは使わず、歩いて入り口を抜けようとすると、門番からは「1人でどこに行くんだ? 気を付けろよ」と忠告を受けた。

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高級リゾートホテルから外に出た途端、景色が一変

散歩を始めること約3分。いきなり道ばたで野良牛と遭遇。

Cow
思わず「ここはインドかよ!」とツッコミたくなる

 アジアの田舎では牛やヤギがノソノソと公道を歩いていることも珍しくないが、ここはセブの高級リゾートホテルの周辺。なんだか違和感?

Family
野良牛に続いて、ヤギの親子も発見

いや、そもそも周囲を見渡すとリゾート地とはほど遠いバラック小屋が建ち並んでいる。

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観光客が珍しいのか、こちらに興味津々の子どもたち

そこに住む人たちはみな素朴。普段はあまり観光客が立ち入ってくることも少ないのだろうか。気さくに「ハロー」と声をかけてきた。

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焚き火で料理を作っていた地元男性

小さなサリサリストア(商店)では、ホテルに比べて物価もいっきに半額以下。大人から子どもまでのんびりと過ごしている。

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サリサリストアで井戸端会議をしていたオバちゃんたち

 このような光景が、高級リゾートを求めてやってきた観光客にはスラムとして写るのかもしれない。たしかにド田舎だ。これといって特筆すべきものはない。

 とはいえ、そこには飾ることのない地元民の暮らしがある。高級リゾート地として開発される以前、むしろコッチの姿がマクタン島の素顔なのではないか。

Nice boy
「写真を撮って」と声を掛けてきた少年

タレコミ情報

実際にスラムと呼ばれているエリアがあるので街歩きには注意が必要。セブとマクタンをつなぐ橋の周辺やロレガ地区など、観光客が歩けば身ぐるみを剥がされてもおかしくはない(ニホンジンドットコム特派員・マスター山田)

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地元食堂のオジさん。上半身裸でワイルド

旅という非日常の味わい方

 普段とは違う“非日常”を味わうこと。それが旅の醍醐味でもある。高級リゾートホテルでセレブさながらに過ごす。格安ゲストハウスに泊まり地元民の生活を垣間みる。どちらも正解で、どちらが間違っているとかはない。

 最近のぼくは仕事の疲れを癒すことが旅の目的だった。しんどい旅は避けつつもあったが、こうしてローカルエリアを歩き、地元民と触れ合うことで、たくさんの笑顔から癒されるものだと再認識したのであった。

(取材・文/藤井敦年)